さっしがいい機械
佐藤(洋)研との共同開発 プロジェクトについて 急速な技術の発展に伴い、実世界とデジタル世界の境界がますます曖昧になって行く中で、インターフェースも制御システムも常に進化せざるを得ない。今のところ私たちは、日常的に新しい作法を覚え、反復することでどうやらその変化に適応している。 しかしもし、モノの方が私たち一人ひとりの行動パターンを把握し、その意図するところを認識できれば、どうだろう? そして、人間の意図を事前に察知してくれる隠れたインターフェースが私たちを支えてくれたら? 「さっしがいい機械」は、モノや環境がいつの間にかコントロールされている未来のインターフェースを模索するプロジェクトである。佐藤研究室の技術を用いて、私たちは、そうした革新的な未来を体験させてくれるデモ・インタフェースを数点製作した。最初のステップは、物理的な操作系をなくすこと。そこでは、モノは人間の動作のみによってコントロールされる。次のステップでは、私たちは直接モノに触れなくても、視線や身振りなどで直観的に操作できるようになる。そして最終的には、モノが人の行動からその意図を察し、自らをコントロールするようになる。 さらに未来には、進化した画像処理技術によってモノが人の無意識な行動に反応することも可能となるだろう。そこではテクノロジーの存在もはや感じられなくなり、シンプルに私たちの思考そのものが実世界に拡張されることになる。 着想を得た佐藤研究室の研究 佐藤研究室の主な研究の一つに、安価なカメラの映像データから人の行動を認識するコンピューター・ビジョン技術がある。コンピューターがこれらの行動を完全に認識できるようになれば、その次には顔の向き、目線の方向・焦点などから背景にある意図をも高い精度で理解できるようになる日がくるであろう。 今回はこの研究から着想して、コンピューター・ビジョン技術を使うことによってモノが人間の無意識な行動を理解できる未来を想像し、人間の意図を察知できる直観的で形のないインターフェースを考案した。モノや環境自体が主体的に人間の意図を察し、実際の動作に反映させてくれる未来を想像してみて欲しい。 佐藤研究室について 佐藤研究室はコンピューター・ビジョンを専門としており、ロボットやコンピューターが人間と同じ精度で動作や行動を認識し理解することによって人間社会に貢献する未来を描いている。 私たちは他者の行動を容易に認識し瞬時に理解することができる。しかしながら、コンピューターやロボットにとって人と同じ精度で動作や行動のニュアンスを理解することは非常に困難である。これらの機械が人をアシストして知的活動の質向上を実現するためには、実世界で行動する人々が何に目をむけ、他者とのやりとりの中でどのような行動を取っているのかを計測し、認識・理解する技術が重要となる。 佐藤研究室では、ウェラブルカメラとアイトラッカーを用いる人が「何」を「どのように」見ながら行動しているのかを知るためのインテリジェントなセンサとして捉える「集合視」というコンセプトを提唱している。 この「集合視」によって、コンピューターが集団行動を理解し、手術の現場など人と人が共同で仕事を進める際のアシストシステムとして活躍する日も近いかもしれない。
佐藤(洋)研との共同開発 プロジェクトについて 急速な技術の発展に伴い、実世界とデジタル世界の境界がますます曖昧になって行く中で、インターフェースも制御システムも常に進化せざるを得ない。今のところ私たちは、日常的に新しい作法を覚え、反復することでどうやらその変化に適応している。 しかしもし、モノの方が私たち一人ひとりの行動パターンを把握し、その意図するところを認識できれば、どうだろう? そして、人間の意図を事前に察知してくれる隠れたインターフェースが私たちを支えてくれたら? 「さっしがいい機械」は、モノや環境がいつの間にかコントロールされている未来のインターフェースを模索するプロジェクトである。佐藤研究室の技術を用いて、私たちは、そうした革新的な未来を体験させてくれるデモ・インタフェースを数点製作した。最初のステップは、物理的な操作系をなくすこと。そこでは、モノは人間の動作のみによってコントロールされる。次のステップでは、私たちは直接モノに触れなくても、視線や身振りなどで直観的に操作できるようになる。そして最終的には、モノが人の行動からその意図を察し、自らをコントロールするようになる。 さらに未来には、進化した画像処理技術によってモノが人の無意識な行動に反応することも可能となるだろう。そこではテクノロジーの存在もはや感じられなくなり、シンプルに私たちの思考そのものが実世界に拡張されることになる。 着想を得た佐藤研究室の研究 佐藤研究室の主な研究の一つに、安価なカメラの映像データから人の行動を認識するコンピューター・ビジョン技術がある。コンピューターがこれらの行動を完全に認識できるようになれば、その次には顔の向き、目線の方向・焦点などから背景にある意図をも高い精度で理解できるようになる日がくるであろう。 今回はこの研究から着想して、コンピューター・ビジョン技術を使うことによってモノが人間の無意識な行動を理解できる未来を想像し、人間の意図を察知できる直観的で形のないインターフェースを考案した。モノや環境自体が主体的に人間の意図を察し、実際の動作に反映させてくれる未来を想像してみて欲しい。 佐藤研究室について 佐藤研究室はコンピューター・ビジョンを専門としており、ロボットやコンピューターが人間と同じ精度で動作や行動を認識し理解することによって人間社会に貢献する未来を描いている。 私たちは他者の行動を容易に認識し瞬時に理解することができる。しかしながら、コンピューターやロボットにとって人と同じ精度で動作や行動のニュアンスを理解することは非常に困難である。これらの機械が人をアシストして知的活動の質向上を実現するためには、実世界で行動する人々が何に目をむけ、他者とのやりとりの中でどのような行動を取っているのかを計測し、認識・理解する技術が重要となる。 佐藤研究室では、ウェラブルカメラとアイトラッカーを用いる人が「何」を「どのように」見ながら行動しているのかを知るためのインテリジェントなセンサとして捉える「集合視」というコンセプトを提唱している。 この「集合視」によって、コンピューターが集団行動を理解し、手術の現場など人と人が共同で仕事を進める際のアシストシステムとして活躍する日も近いかもしれない。