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プロジェクト Collins: 老人ホームの中の孤独感を対策する

プロジェクト Collins: 老人ホームの中の孤独感を対策する

離れて暮らす家族が入居者の感情をモニタリングすることができる化学センサーのコンセプトスケッチ 老人ホームの中の孤独感を対策する 2025年1月〜2025年4月 コラボレーター: AS PARTNERS Co., Ltd. ( https://www.as-partners.co.jp/ ) 世界中で急速に進む高齢社会において、“孤独”は静かでありながら最も緊急な課題の一つです。特に、未婚者や離別者、健康状態の悪い人、世帯収入の低い人、社会との関わりが少ない人など、社会的・経済的に弱い立場にある人に孤独の傾向が強いと考えられています。 1 また、令和6年の調査では約4割の人が「孤独感がある」と回答しているというデータもあります。 2 日本では、2040年には人口の3人に1人が65歳以上という、 3 超高齢社会を迎えようとしています。そこで、デザインはどのようにして高齢者に喜びや人・社会とのつながりを生み出すことができるでしょうか。 プロジェクトCollinsは、株式会社アズパートナーズとDLXデザインラボが協働し、高齢社会における孤独や介護業界の問題に取り組み、そして介護ケアの未来を探るプロジェクトとしてスタートしました。 1 https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/zenkokuchousa/r6/pdf/tyosakekka_point.pdf 2 https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/zenkokuchousa/r5/pdf/kosatsu_r5.pdf 3 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2025/zenbun/pdf/1s1s_01.pdf   背景とインスピレーション 日本の高齢化が進む中で、「高齢者はどのように日々の生活を送り、どのように人とのつながりを感じるか」という問いは、もはや未来の問題ではありません。 株式会社アズパートナーズは首都圏で25以上の介護付き老人ホームを運営しており、このような課題に日々直面していました。 プロジェクトCollinsでは、2040年の未来を視野に入れた「介護施設における入居者の孤独」をテーマに、孤独に対するアプローチを探索しました。未来志向のデザインアプローチを用いて、目の前の問題を超えた長期的な可能性や問題を想像しながら、今日のアイデアが明日の介護現場でも活かせることを目指しました。 株式会社アズパートナーズが運営する介護付有料老人ホーム「アズハイム神宮の杜」 プロセス リサーチなど 私たちは株式会社アズパートナーズが運営する介護付き有料老人ホーム「アズハイム」に訪問し、入居者やスタッフを10名を対象にヒアリングを実施しました。ヒアリングから入居者の生活や、孤独の実態、高齢社会が抱える課題について貴重な洞察を得ることができました。 ある入居者はこう語りました。 「覚悟して、大学時代の友人とご縁を切ろうと思って、ここに入居しました。」 「入居にあたって趣味も全部やめましたね。」 別の入居者は 「スタッフさんたちに散歩程度で煩わせるのは申し訳ない。」 と、介護に対する遠慮や罪悪感を感じることを教えてくださいました。 こうした声から見えてきたのは、施設に入るということが、単なる住まいの移動にとどまらず、人間関係や習慣、自立を失うことにもつながっているという現実です。また、孤独を和らげることは、人間関係の構築だけでなく、日常をより豊かにし、心身の健康を保ち、尊厳や帰属意識を取り戻すことでもあると学びました。 このようなリサーチや得られた洞察から、アズパートナーズ、DLXデザインラボ、東京大学の研究者がチームを組みアイデア出しのワークショップを実施しました。 介護の現場の知見×デザインアプローチ×研究・技術のコラボレーションを生かしたアイデアを得ることができました。 株式会社アズパートナーズのスタッフ、DLXのデザイナー、東京大学の研究者によるアイディエーションワークショップの様子 コンセプト ワークショップで生まれたアイデアを5つのコンセプトにまとめ、株式会社アズパートナーズの経営陣にプレゼンテーションしました。自発的な笑顔を作るアクチュエータのような未来的なアイデアから、入居者の感情に寄り添う優しい化学センサーまで幅広いアイデアが生まれました。 このプロジェクトは、多様なバックグラウンドを持つ人々が協働し、未来に向けたデザインの課題に取り組む機会になりました。その中で、創造的な発想と介護の現実とのバランスの難しさや、入居者やスタッフから介護現場の生の声を聞き、介護スタッフとデザイナーとコラボレーションすることでアイデアに実用性と温かさが生まれるということを学びました。 さらに、介護施設を「衰えていく場所」ではなく、「引き続き人生送っていく場所」として捉え直す挑戦でもありました。未来志向のデザインを取り入れたことで、株式会社アズパートナーズにとっても、未来の介護のストーリーを描くきっかけとなり、この志は未来を拓く取り組みへと展開させています。 プロジェクトCollinsは、現在だけでなくこれからの孤独の課題に向き合うための意味のある小さな一歩となりました。 プレスリリース PR Times 、2025年12月10日 東京大学生産技術研究所、2025年12月10日 #健康_ウェルビーイング #コンセプト

IWCD Prototyping

IWCD Prototyping

IWCDの一部のラピッドプロトタイプ 物理学の最先端に向けたデザイン 2024年5月〜現在 コラボレーション: Kavli IPMU(カブリ数物連携宇宙研究機構) IWCD PrototypingはKavli IPMU(カブリ数物連携宇宙研究機構)との共同プロジェクトです。宇宙の起源解明を目的としたニュートリノの研究装置ハイパーカミオカンデの一部であるIWCD(中間水チェレンコフ検出器)において、人間中心で費用対効果の高いソリューションを設計しています。 プロジェクトの背景 「宇宙最小単位」のニュートリノは宇宙の起源を解明する鍵を握っていると考えられています。 小柴昌俊博士が開発したカミオカンデシリーズは当初は陽子崩壊の研究を目的に作られましたが、後にニュートリノ観測のために改良されました。 小柴博士らは初代カミオカンデを用いて超新星爆発から放出されたニュートリノを世界で初めて観測し、その功績により2002年にノーベル物理学賞を受賞しました。後継機であるスーパーカミオカンデはニュートリノ振動の実証に成功し、さらなるノーベル賞受賞研究を支えました。そして現在、ニュートリノ研究をさらに発展させるための新装置ハイパーカミオカンデは2028年の稼働開始を目指して建設が進められています。 スーパーカミオカンデ内部、 東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設 DLX Design Lab は、世界中の科学者・エンジニアと協力し、ハイパーカミオカンデ実験の一部である「中間水チェレンコフ検出器(IWCD)」の開発に取り組んでいます。IWCD は、茨城県東海村の J-PARC におけるニュートリノビーム源の近くに設置される予定です。 この検出器は、深さ 40 m の縦坑内を上下に動かすことでビームの観測角度を変える “PRISM 技術” を備えており、岐阜県神岡にあるメインのハイパーカミオカンデ検出器(295 km 離れた遠方検出器)へと照射するための高精度なビーム測定を可能にします。 ニュートリノがこの長い道のりで種類を変えていく(ニュートリノ振動)様子を調べることで、この宇宙がなぜ物質に満ち、反物質がほとんど残らなかったのかという大きな謎の解明に近づくことができます。これは現代物理学における最も大きな問いの一つであり、その理解は、私たちの宇宙がなぜ今の姿になっているのかを説明する手がかりとなります。 IWCD(中間水チェレンコフ検出器)で観測されるチェレンコフ水のシミュレーション、 https://www-neutrino.kek.jp/ IWCD(中間水チェレンコフ検出器)は深さ50mの垂直シャフト内に設置され、上下に移動することで異なる起動のニュートリノを観測することができる、 https://www-neutrino.kek.jp/ DLXデザインラボでは迅速かつ低コストでテスト可能なモックアップの制作から、組み立てや取り扱いを容易にしてユーザビリティを向上させるブラケット、治具、部品の設計まで、複雑な製造・エンジニアリング環境でのデザインの価値を実証してきました。 安価でシンプルなスクみでアイデアを継続的に検証することで、科学者とエンジニアに可視化を通じた共通理解を生み出します。また、開発の初期段階で大きな損失につながるミスや見落としを防ぐことができ、より効率的で精度の高い開発プロセスの実現に貢献しています。 検出器の一部のモックアップ、 J-PARC #プロトタイプ #ユーザー_テスト

AICOM - Mind the AI Gap

AICOM - Mind the AI Gap

AICOM - Mind the AI Gap のゲーム機 人間がAIをまだ越えることは何ですか? 2024年〜現在  共同研究者: 菅野研究室 AICOMプロジェクトでは、一般の人々と研究者が協力しながらAIの開発を推進していくことを目指しています。 AIの限界をより良く理解できるように、AIの理解のギャップを発見するために、私たちは一般の人々がAIの評価に使用されるデータを作成できるゲームを開発しています。 人間には伝わるがAIには伝わらない説明文を作る二人プレイヤーゲームです。これを通して、画像と説明のデータセットを作り上げることができます。  研究のインスピレーション 菅野研究室はコンピュータビジョンや人工知能を研究しています。AIがより広く普及するにつれて、現在のシステムの限界を明らかにすることがますます重要になっています。一見些細に見えるギャップでも、一部のユーザーにとっては重大な問題となる可能性があります。 ゲーミフィケーションによるデータ収集 ゲームを通じてデータを収集することで、プレイヤーは楽しみながらAIの発展に貢献できます。プロトタイプやユーザーテストを何度も繰り返すことで、良質なデータを収集することと、楽しくやりがいのある体験を提供することのバランスを見つけていきます。 二人プレイヤーが一緒に協力してAICOMちゃんを越えるゲームです。 東京大学 駒場リサーチキャンパスの2025年のオープンキャンパスでのユーザーテスト #プロトタイプ #ユーザーテスト #AICOMプロジェクト

TabeMaru

TabeMaru

フードロスをサステナブルな農業価値へ 2023年7月〜現在 コラボレーター: 東京大学農学部 応用昆虫学研究室 日本では、食品生産に用いられる肥料の約90%が輸入に頼っており、外国の資源に依存しています。その一方で、毎年500万トンもの食品が廃棄されています。私たちはこの状況から、食品廃棄物から栄養素を回収し、輸入肥料を徐々に置き換える機会を見出します。 私たちは、レストラン向けの革新的なシステム「TabeMaru」を開発しています。 これは、生ゴミを有機肥料に変えるブラックソルジャーフライ(通称BSF)のコロニーを活用し、食品廃棄物を有機肥料に変えるシステムです。 生産と消費のループを閉じることにより、輸入肥料への依存を減らし、日本の農業のレジリエンスを高めることを目指しています。 #エコロジー_環境_サステイナビリティ #プロトタイプ

Rats in the City

Rats in the City

都市の野生動物との共生に向けて 2024年〜現在 共同研究者:獣医動物行動学研究室 「Rats in the City」は、都市に暮らすネズミの姿を1年間にわたって観察・探求した旅へと来場者を誘います。原広義の写真と組み合わせた3つのインタラクティブなインスタレーションを通じて、このプロジェクトは、先入観を離れた新しい視点からネズミを見ることを呼びかけます。  もしかすると、ネズミは私たちが思い込んできたような「汚らしい」害獣ではないのかもしれません…。 科学的な視点を土台にしながら、人と野生動物の両方にとって持続可能な都市のあり方を描き、より生態系に包摂的でしなやかな都市づくりを目指しています。 展示 駒場オープンキャンパス: 5月30–31日, 2025年 DLX Curiosity イベント @ Tokyo Node Lab: 8月7日, 2025年 光州  デザインビエンナーレ ( 光州 , 韓国): 8月30日– 11月2日, 2025年 柏オープンキャンパス: 10月24–25日, 2025年 科学と芸術の丘 (松戸市、千葉): 10月24–26日, 2025年 #エコロジー_環境_サステイナビリティ #展示

OMNIデルタ

OMNIデルタ

河川でのごみ拾いのOMNIデルタツール 海に流れ着くゴミを防ごう! 2024年〜2025年 共同者:逗子市、四国中央市、長崎県、 山崎研 プラスチックごみは陸上や河川に蓄積され、たとえプラスチックごみの主な発生源が解決されたとしても、海洋ごみの長期的な発生源となることが研究で示唆されています。海ごみの約80%は陸地に由来し、その多くは河川に蓄積され、最終的に海に運ばれます。 さらに、日本では、本土の海岸線の約30%が消波ブロックで覆われている。消波ブロックは、波や潮流の力を分散させて海岸浸食を最小限に抑えるよう設計されていますが、その大きなサイズと相互に組み合わさった構造により、隙間にプラスチックごみが溜まりやすくなっています。このような場所でのごみ拾いのは海ごみを減らすために重要なことだが、川も消波ブロックもアクセスやごみ拾いが難しいです。 OMNIデルタは河川や消波ブロックでのごみ拾いを身近なものにすることで、人々の海ごみ削減への行動を促すプロジェクトです。私たちはこの問題を解決するために、地域の方や自治体の監督のもとで河川での清掃活動を身近にするデザインに取り組んでいます。 #エコロジー_環境_サステイナビリティ #プロトタイプ #OMNIプロジェクト

PIGRA

PIGRA

ゴミ拾いのためのリサイクル可能なパーソナライズができる紙バックホルダー ごみ拾いをもっと楽しく! 2022年〜2025年 コラボレーター:逗子市、四国中央市 室外でごみを拾う時、ごみ袋にごみを入れるのは風の影響で、口が小さくなりやすく入れづらい。 その解決のためにPIGRAは生まれました。PIGRAのバッグホルダーに自由に絵を書いて、パーソナライズができます。PIGRAを通じてごみ拾いをより楽しみやすく身近なアクティビティするこを目指しています。 ​​環境に配慮しリサイクル可能な紙でできています。 #OMNI_プロジェクト #エコロジー_環境_サステイナビリティ

Skin Vessel

Skin Vessel

Skin Vesselボディスーツ 温熱環境最適化スーツ 2022年〜2023年 コラボレーター:長谷川研究室 In collaboration with: Hasegawa Lab プロジェクトSkinvessel は、生産技術研究所の研究成果を活用し、新しい製品やサービスにつながるコンセプトを開発するプロジェクトです。DLX Design Labと長谷川研究室が協力し、「身体の上から血管を身につける」ことで体温調節を補助するボディスーツの開発を目指しています。下記のイメージは、将来的に 宇宙空間や水中のような特殊環境 でも着用できることをイメージしたものです。 背景とアイデアの源 長谷川研究室では、流体やそれに伴う熱の流れの予測やその制御を目的とした研究を行っています。その中で、 「与えられた空間において、流体を駆動するために必要なポンプ動力をできるだけ抑えつつも、冷却効率を最大化する」といった相反する目的を同時に満たす流路形状の最適化アルゴリズムを開発 しています。その結果、得られる最適流路形状の多くは生物の血管網に似た枝分かれ構造を有しています。そこから着想を得て、「もし血管のような分岐構造を服として身にまとうことができれば、人体の熱交換をより効率的に行えるのではないか」という仮説が生まれました。(画像提供: 長谷川研究室) 血管を着る 長谷川研究室の流体力学研究で開発されたアルゴリズムで得られた経路を応用し、 身体の表面に沿って最適な水路を配置 し、その中に温水や冷水を巡らせることで、効率的な身体の熱交換が可能にならないか?という問いが生まれました。これは、人間の血管が「血液の全身への循環」と「体温調節」を同時に行っている構造とよく似ています。 プロトタイピング このアイデアを「実際に着られるウェア」に落とし込むため、プロジェクトチームでは プロトタイピング を積極的に行いました。試作品を実際に身に着け、冷水や温水の循環による体温変化を観察しました。 小さな新型ポンプ この経路の特徴のひとつとして、 流体抵抗を最小限に抑えている ため、大型ポンプを使わずとも水が循環しやすい点があります。従来のクーリングベストのように大きなポンプを背負わなくても、 人体の動きに合わせて自然に水を送る小型ポンプ を想定できるというわけです。実際に、身体に取り付けて人の動きを利用した小型ポンプの試作を重ねる中で、 モーターに依存しない半自動循環 が実現できることがわかりました。 今後の展開と応用 開発中のウェアは軽量かつコンパクトに作れるため、従来のクーリングベストよりもスポーツなどのアクティブシーンで使いやすくなる可能性があります。さらに、冷え性や体温調節が苦手な人へのウェアとしての応用も検討中です。 また、汗が蒸発しにくい 高温多湿の場所 や、 微小重力の宇宙空間 、さらには 水中 での利用なども視野に入れています。今後は、技術のさらなる小型化・量産化、そして個々人の血管構造に合わせたパーソナライズによって、より幅広い場面で活用できるよう研究を続けていく予定です。 #プロトタイプ #バイオテック

メタマテリアル

メタマテリアル

本プロジェクトは、生産技術研究所における最先端の科学研究を広く社会に伝え、その価値と将来性を示すことで、研究への関心と注目度を高めることを目的としています。 DLX Design Labは、立間研究室と連携し、革新的なアプローチで開発されたナノ粒子の特性と、それが切り開く未来の可能性をショートフィルムとして可視化しました。これらの微細な粒子は光と強く相互作用する性質を持ち、将来的には光を自在に操ることで物質を透明化するなど、驚くべき機能を発揮する可能性を秘めています。 立間研究室について 立間研究室では、光に応答するナノ粒子の生成方法を研究しています。化学的な手法を用いることで、一度に多数の極小粒子を効率的に生成する技術の確立を目指しています。この研究により、自然界には存在しない特性を持つ「メタマテリアル」と呼ばれる新たな物質の創出が期待されています。これらの粒子は、光を屈折させるという高度に複雑なメカニズムを備えています。各粒子は光の波のエネルギーを受け取り、ラジオのアンテナのように振動と発振を繰り返すことで、光の進行方向を変化させます。さらに特定の波長に共振するよう設計することで、物質が“負の屈折”といった、自然界には存在しない振る舞いを示すことも可能になります。
本プロジェクトでは、こうした技術が将来的にどのように発展・応用されるかを視覚的に示すため、未来のロードマップを策定しました。 研究開発のタイムライン 本プロジェクトでは、未来の技術発展を段階的に示すタイムラインを制作しました。立間研究室との対話を重ねながら、不確かな未来をどのようなプロセスで実現へと近づけるのかを可視化しています。 このタイムラインは、横軸(左から右)と縦軸(上から下)の二つの次元で構成されており、それぞれの軸は技術的な難易度を表しています。 一番上のライン:現在研究中のナノ粒子が完成し、「メタアトム」として機能する段階 中央のライン:これらの粒子を組み合わせ、二次元の表面(サーフェス)として形成する段階 一番下のライン:さらに複雑に構成し、三次元の立体構造として実現する段階 また、光の波長によっても難易度が変わります。赤い光のように波長が長い場合は比較的大きな構造で済みますが、紫の光のように波長が短くなると、より微細な構造が必要となり、技術的なハードルが高くなります。 メタマテリアルが光を屈折させる仕組みは非常に高度です。個々の粒子はラジオのアンテナのように光の波エネルギーを受信・振動・発振し、その際に元の波とはわずかに異なる波を放出します。こうした粒子の相互作用により、波が強め合い、合成され、全体として光の進行方向が変化する、すなわち屈折する現象が生まれます。 さらに、特定の波長に共鳴するよう粒子を設計することで、波が複雑に重なり合い、自然界では見られない方向へと光が曲がる「負の屈折」現象も可能になります。この技術を応用することで、光の進行方向を自由自在に操ることが可能になると期待されています。 未来の応用可能性 ・漆黒の太陽光パネル まず最初のステップとして、光を制御する以前に、すべての光を吸収する素材の実現が期待されます。これを太陽光パネルに応用すれば、従来は反射によって失われていた光をも効率的にエネルギー変換できる可能性があります。究極の太陽光パネルは、外からは見えない「漆黒」の存在かもしれません。 ・透過型デバイス 次の段階では、光を迂回させて背後の景色を再現するようなデバイスが考えられます。完全な球体のような理想的な形状に限定され、かつ赤色など限られた波長のみの透過から始まると予想されます。 ・限定的な光学透過 技術と理解がさらに進めば、複雑な形状の物体でも部分的に光を回り込ませ、特定の方向から透けて見える構造が実現するかもしれません。たとえば、柱や壁がありながらも、目の高さの部分だけを透過させることで、死角のない空間設計が可能となります。 ・光を運ぶ未来の窓 さらに応用が進めば、メタマテリアルを光ファイバーのように伸ばして棒状に加工し、室内へ外の光や景色を運ぶ「未来の窓」も実現できるでしょう。たとえば、地下室にいても空の色、日の光、影の動きなどをリアルに感じられる空間が生まれるかもしれません。 この窓の実現には、赤・緑・青(RGB)の各波長に対応する経路の確保が前提となります。さらに赤外線(IR)を導入すれば、暖かさも一緒に伝えることが可能です。用途に応じて単色や紫外線透過など、自在な光の制御も視野に入ります。 最終的には、いわゆる「光学迷彩」と呼ばれるような、物体そのものを視界から消す技術へと発展する可能性もあります。現時点では、その設計方法すら明確ではなく、非常に困難な課題です。しかし、AIの進化と同様、ある日突然、想像を超えた技術が誕生するかもしれません。もしかすると100年後には、SF映画に登場するような、着るだけで姿が見えなくなる“透明マント”が現実になる日が来るかもしれません。

2025年度修士課程卒業生の論文を紹介

2025年度修士課程卒業生の論文を紹介

東京大学大学院学際情報学府(GSII)の先端表現情報コースに所属する3名の修士課程学生による最先端の卒業プロジェクトを紹介します。 それぞれの革新的な研究は、デザイン思考と新興技術を融合させ、デザイン・社会・情報学の交差点における新たな視点を提示しています。 ものの終わりを劣化からデザインする:サステナブルデザインのための方法論 程 柏朗 持続可能なデザインに移行する中で、製品の多くはリユース、リサイクル、材料効率といった循環性に注目しているものの、製品の終わりはほとんど見過ごされがちである。本研究は、劣化を製品ライフサイクルにおける意図的かつ創造的なプロセスとして再定義する、新たなデザインアプローチを提案する。 リサーチ・スルー・デザイン(RtD)の手法を用い、本プロジェクトは、製品が使用段階から意味のある終わり方へと移行する方法を探求する。バイオミミクリー、材料科学、そしてデザイン実践から得られた知見を統合し、実際の素材探索や仮説に基づくデザイントライアルを通じて、初期段階から終わりを組み込むための体系的な方法論、ワークフロー、及びツールキットを開発した。 研究は、以下の三つの実験的デザイントライアルが行われている。  ・発芽した苗を育む生分解性エクソスケルトン  ・ミニ生態系の生息地へと変容する建築システム  ・ユーザーによる解体が可能なモジュール式バイオエレクトロニックデバイス さらに、オブジェクトカード、材料に関する洞察、劣化に関する語彙を含む参加型デザインツールキットが、サステナブルな製品の「終わり」を想像するデザイナーを支援する。 このプロジェクトは、製品の終わりを可視化することで、リニアの消費モデルに挑戦し、劣化を単なる廃棄物ではなく「変容」として捉える新たな視点を提案する。その成果は、サステナブルデザインの教育、未来の可能性、そして産業への応用に貢献し、より生態学的に統合され、創造性豊かな製品ライフサイクルへの道筋を示すものである。 Spectral Aura: 都市社会に隠された無線空間を体感するウェアラブル 宮瀬 環 「Spectral Aura」  は、都市環境に存在する電磁波を動的なビジュアル表現を通じて可視化するウェアラブル体験である。本プロジェクトの主な目的は、電磁波を検知・解釈し、この見えない情報を視覚的に提示することで、人々の認識を高めることである。 このプロジェクトでは、ウェアラブル体験が都市環境に潜む隠れた要素をどのように明らかにできるのかを探求し、人間の知覚、都市化、テクノロジーの交差点を考察する。人間の感覚は自然現象を捉えることを可能にするが、私たちの周囲には、特に電磁波(EM波)のように、知覚できない要素が数多く存在する。 「Spectral Aura」は、芸術的表現であると同時に機能的なツールとしても機能し、観察者が環境の中に通常は見えない要素を知覚し、対話することを可能にする。本プロジェクトは、ウェアラブルテクノロジーが環境認識を拡張し、都市の技術インフラとの関係を新たに理解する方法を提供できることを示している。 この「デザインを通じた研究(Research through Design)」は、衣服とその周囲環境との関係に対する著者自身の関心から始まった。試作と実験を繰り返しながらプロジェクトを発展させ、最終的な形へと進化させた。このプロセスを通じて、都市環境における衣服と見えない技術インフラとの関係について貴重な洞察を得ることができた。 自然外務省: More-than-humanとコデザインする未来のガバナンスと法の構想 飯田ジュリエット柚実 この論文は、「自然外務省:More-than-Humanとコデザインする未来のガバナンスと法の構想」というテーマで、環境政策の革新的なアプローチを提案している。特に、環境問題に対して人間中心主義を超えた視点(More-than-Human)から、自然を能動的なエージェントと見なすことの重要性を強調している。現在の社会では、自然と人間がどのように関わるべきかという課題があり、これを新たな法的枠組みで解決しようとする動きが注目されている。 この研究では、More-than-Human哲学の視点から、政府が「自然とともに政策を作る」システムの設計可能性を探っている。これを実現するために、Research Through Design、Experimental Design、Design Fictionといった方法論を使用して、理論的なMTHの概念と実際の政策の間をつなげる「自然関係省」という架空のシステムを提案している。 本研究の目的は、環境保護に関する議論を日本社会に呼びかけ、現在の政治の限界を批判し、政府の硬直的な構造に疑問を投げかけることである。さらに、すべての存在(人間と非人間)のエージェンシーと相互依存を認めた新たなガバナンスフレームワークを提案し、環境ガバナンスの議論に貢献している。

バックミラー型ドライビングアシスタントMIRAbot

バックミラー型ドライビングアシスタントMIRAbot

近年、自家用車の自動運転技術は急速に進化し、日本や欧米ではSAE(自動車技術者協会)によるレベル3の条件付き運転自動化が承認・導入されるようになりました。レベル3の車両は、特定の条件下でハンズフリーかつアイズオフの運転を可能にしますが、ドライバーは通知を確認し、必要に応じてすぐに操作を引き継ぐ準備をしておく必要があります。この技術は利便性を向上させる一方で、ドライバーからの信頼を得ることが課題となっています。 この課題に対応するため、東京大学DLXデザインラボは、韓国科学技術院(KAIST)の産業デザイン学科と協力し、ドライバーとレベル3自動運転車の間に信頼関係を築くための内部ヒューマンマシンインターフェース(iHMI)を設計・開発しました。このコラボレーションにより、「Auze(オーズ)」と「MIRAbot(ミラボット)」という2つのプロトタイプが開発されました。Auzeは車内で使用するロボット型アクセサリー、MIRAbotはバックミラー型のドライビングアシスタントです。 このプロジェクトでは、KAISTの学生4名がDLXデザインラボの柏スタジオでインターン生として参加し、2023年と2024年に柏オープンキャンパスでプロトタイプの公開デモとユーザースタディを実施しました。さらに、2024年のHRI(Human-Robot Interaction)およびCHI(Computer-Human Interaction)国際会議で研究成果を発表し、2025年のCHIでも発表を予定しています。 本研究では、探索的デザインアプローチを採用し、東京大学柏IIキャンパスの4D Spaceにおいて、14名のデザイナーによるアイデアワークショップからスタートしました。このワークショップでは、ドライバーを支援するリアビューミラー型アクセサリーのコンセプトが生まれました。その後、アイデアのブラッシュアップ、試作、専門家からのフィードバックを経て、Auzeが開発されました。Auzeはロボットの動きと音声を活用し、既存のハンドオーバーシステムと連携することで、安全な運転の引き継ぎをサポートします。(動画はこちら: https://www.youtube.com/watch?v=mY6wbhw1sRI ) さらに、このコンセプトを発展させ、MIRAbotを開発しました。MIRAbotは通常のリアビューミラーとしての機能を持ちつつ、インタラクティブなアシスタントとしても活躍します。手動運転・自動運転の両方に対応し、移行時には音声や動作を用いてドライバーの注意を促し、スムーズな運転の引き継ぎを支援します。(動画はこちら: https://www.youtube.com/watch?v=w5Xgp1wnp9g&t=17s ) AuzeとMIRAbotを通じて、私たちは自動運転技術を日常の運転に自然に溶け込ませることを目指しています。これにより、レベル3自動運転車への信頼を高めるだけでなく、新技術の適応に不安を感じる方々にも、より快適で安心できる運転体験を提供できると考えています。 この研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費助成事業(課題番号: 22H00246)の支援を受けています。 研究チーム 東京大学 DLXデザインラボ 金 賢貞(Hyunjung Kim) フィッシャー・マックス(Max Fischer) 木内 笙太(Shota Kiuchi) 小田 久美(Kumi Oda) 本間 健太郎(Kentaro Honma) ペニングトン・マイルズ(Miles Pennington) KAIST 産業デザイン学科 チョン・ジョンイク(Jongik Jeon) ピョ・スンファ(Seunghwa Pyo) キム・イェナ(Yena Kim) イ・グムジン(Geumjin Lee) イ・チャンヒ(Chang Hee Lee) 半自動運転車向けの車内アクセサリー「Auze」 半自動運転車向けのバックミラー型ドライビングアシスタント「MIRAbot」 半自動運転の引き継ぎ状況を再現したプロジェクションシミュレーション内で、ワークショップ参加者が実車を用いてプロトタイプをテストする様子

Beyond 5G - リモートドライバー

Beyond 5G - リモートドライバー

いつものデスクに居ながら世界のどこででも運転できるドライバーに 2022年10月〜2025年3月 共同者:NICT 2035年の日本では、6Gネットワークの導入により、私たちが予想もしなかった人や物の動きの変化が生じているでしょう。6Gネットワークが、交通、通信、ライフスタイルに大きな変化をもたらし、更には、私達の空間やサービスとの関わり方を変容させるでしょう。 オペレーターが世界のどこからでもコネクテッド・ビークルを操縦できるリモート・ドライビングの世界へようこそ。6Gは、非常に速く、待機時間がほとんどない通信を実現し、大量のデータを高速に送ることができます。 #BY5G_プロジェクト #未來のモビリティ #スペキュラティブ

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