「マイクロラボ」の第三回目を、2018年2月から4月にかけて開催しました。マイクロラボは、RCA-IIS Tokyo Design Labのメンバーと、生産技術研究所の研究者とがグループになり、短期間で集中的に取り組むプロジェクト。今回のテーマは「Re: Thinking the robot」です。ロボットを研究する、藤井研究室や山中研究室の技術からもインスピレーションを受けながら、「ロボットとは何か?」を改めて考えました。
今回、メンバーたちは「表現するスキン(肌)」を提案しました。ここで呼ぶ「スキン」とは、ロボットの表面的な部分だけではありません。その、ふるまいも含めて「スキン」であると捉え、新しい人とロボットの関わり方を考えます。
人とロボットが共存する未来の、自然なコミュニケーションに必要なもの。その一つは、言葉だけでは表せない、ニュアンスを伝える方法ではないでしょうか。普段、私たちが表情や、身振り手振りで伝えている微妙な感情を、ロボットも人に伝えられる必要があると考えたのです。
プロジェクトのタイトルは「JINZO SKIN」。インタラクションのアイデアを類型にし、辞書のようにまとめ、そして、今回はそのうちの3種類を、実働プロトタイプにしました。
1つ目は「GAOH(ガオー)」。操作を間違うなど「不当な扱い」を受けたと、ロボットが感じたとき、表面のとげを逆立て、威嚇します。反射的な怒りを人に伝えることが可能です。
2つ目は「ZUKI(ズキ)」。叩かれたり、ぶつかったり、ロボットに物理的な衝撃が加わると「アザ」ができます。何かしらのダメージを受けたことを、視覚的に表現します。
そして3つ目は、「ISHIKI(イシキ)」。触覚のような形状のツノの先端が、人が動く方に向きます。ロボットが今どこに注意を払っているのか、を視覚的に読み取ることができます。
今回の成果は、4月18日に発表会で報告しました。RCA Fashionの出身のAbbie Stirrupがディレクションを担当。メンバーによるダンス、DJ、3Dアニメーション、そしてプロトタイプが共鳴し、これまでのマイクロラボの成果報告とは全く違うパフォーマンスになりました。
プロジェクトメンバー
RCA-IIS Tokyo Design Lab
Abbie Stirrup
Maria Apud-Bell
Jonathan Rankin
淺田史音
磯部宏太
江川主民
中西亮介
西川ステファニー
三國 孝
ISHIKI 制作メンバー
村上 元
樗木 浩平
柳沢 竜三
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