IWCD Prototyping
- DLX Design Lab

- 2025年11月19日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年11月25日

物理学の最先端に向けたデザイン
2024年5月〜現在
コラボレーション: Kavli IPMU(カブリ数物連携宇宙研究機構)
IWCD PrototypingはKavli IPMU(カブリ数物連携宇宙研究機構)との共同プロジェクトです。宇宙の起源解明を目的としたニュートリノの研究装置ハイパーカミオカンデの一部であるIWCD(中間水チェレンコフ検出器)において、人間中心で費用対効果の高いソリューションを設計しています。
プロジェクトの背景
「宇宙最小単位」のニュートリノは宇宙の起源を解明する鍵を握っていると考えられています。
小柴昌俊博士が開発したカミオカンデシリーズは当初は陽子崩壊の研究を目的に作られましたが、後にニュートリノ観測のために改良されました。
小柴博士らは初代カミオカンデを用いて超新星爆発から放出されたニュートリノを世界で初めて観測し、その功績により2002年にノーベル物理学賞を受賞しました。後継機であるスーパーカミオカンデはニュートリノ振動の実証に成功し、さらなるノーベル賞受賞研究を支えました。そして現在、ニュートリノ研究をさらに発展させるための新装置ハイパーカミオカンデは2028年の稼働開始を目指して建設が進められています。

DLX Design Lab は、世界中の科学者・エンジニアと協力し、ハイパーカミオカンデ実験の一部である「中間水チェレンコフ検出器(IWCD)」の開発に取り組んでいます。IWCD は、茨城県東海村の J-PARC におけるニュートリノビーム源の近くに設置される予定です。
この検出器は、深さ 40 m の縦坑内を上下に動かすことでビームの観測角度を変える “PRISM 技術” を備えており、岐阜県神岡にあるメインのハイパーカミオカンデ検出器(295 km 離れた遠方検出器)へと照射するための高精度なビーム測定を可能にします。
ニュートリノがこの長い道のりで種類を変えていく(ニュートリノ振動)様子を調べることで、この宇宙がなぜ物質に満ち、反物質がほとんど残らなかったのかという大きな謎の解明に近づくことができます。これは現代物理学における最も大きな問いの一つであり、その理解は、私たちの宇宙がなぜ今の姿になっているのかを説明する手がかりとなります。


DLXデザインラボでは迅速かつ低コストでテスト可能なモックアップの制作から、組み立てや取り扱いを容易にしてユーザビリティを向上させるブラケット、治具、部品の設計まで、複雑な製造・エンジニアリング環境でのデザインの価値を実証してきました。
安価でシンプルなスクみでアイデアを継続的に検証することで、科学者とエンジニアに可視化を通じた共通理解を生み出します。また、開発の初期段階で大きな損失につながるミスや見落としを防ぐことができ、より効率的で精度の高い開発プロセスの実現に貢献しています。




